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現在のインターネット回線(2)・ADSL回線
インターネット回線の発展の歴史とともに、現在選ぶことができる回線の種類を紹介していくこのコーナー。続いてはADSL回線です。ブロードバンド回線と呼ばれ、もてはやされたこの回線も、そろそろ後進に道を譲る時期に来ています。
アナログの電話回線を利用して高速通信
ADSLとは、Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者線)の略で、上り(パソコンからインターネットへ)と下り(インターネットからパソコンへ)の通信速度が非対称なことが特徴の回線です。
一般家庭に引かれているアナログの電話回線を使ってインターネットに接続する高速・大容量通信サービスです。
既存のアナログ電話回線を使うため導入が簡単で、インターネット草創期のダイヤルアップ接続に比べると、劇的な通信速度が出ることが特徴という触れ込みで登場しました。
ただ、光ファイバー回線に比べると1/100程度の速度でしかなく、日進月歩のインターネット接続技術の進化においては、過渡期の技術だったと言わざるを得ません。そういう意味では、後ほど説明しますが現時点では選択肢がない人向けのインターネット接続サービスということになります。
その特徴とメリットなど
ADSL回線の最大の特徴は、従来のアナログ電話回線を利用してインターネットに接続するということです。
導入のためのコストも、だいたいの世帯にはアナログの電話回線がすでに引かれているから必要なく、すぐに導入できることが大きなメリットと言えます。
さらに、インフラ整備のためのコストも必要ないために、月額の利用料金も光ファイバー回線に比べて安く抑えることができます。
頻繁にインターネットを安く使用したくて、多少の通信の遅さや不便さは許せる人で、自宅にアナログの固定電話がある人ならADSL回線はおすすめです。そしてこれが重要なのですが、居住地域に光ケーブル回線が来ていない人には、選択肢がほぼADSL回線しかないということです。
デメリットとしては、ADSL回線の特性でもあるのですが、NTT東日本/西日本の基地局から自宅が離れている場合、サービスで謳っている通信速度(理論値)が出ない可能性があるということです。このあたりも含め、快適にインターネットを利用したいなら光ファイバー回線を選ぶべきでしょう。特に、動画閲覧やオンラインゲーム、オンラインFXなどを頻繁に利用する人にとっては、ADSL回線では不都合が生じることが多くなります。