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ひかり電話と加入電話
そもそも電話加入権とは、アナログ回線のインフラ整備に必要な施設設備負担金を拠出した人に、電話を引く権利を与えるというものです。しかし、アナログ回線のインフラはすでに整備されていますよ。
光ファイバー回線インフラ整備のために資金が必要となる?
光インターネット回線を使った「ひかり電話」の登場で、アナログの電話回線に必要な電話加入権の存在意義は風前の灯と言われています。果たして本当にそうなのでしょうか? こういった考え方もある一方、ひかり電話が電話加入権を資産価値のある財産へと復権させるのではという見解もあるのです。いったい、どういうことなのでしょうか?
電話加入権が、資産価値を持つ財産として登場する可能性は否定できません。
でも、それは従来のアナログの固定電話に必要だった電話加入権の財産価値が再上昇するという意味ではありません。ここ数年、ひかり電話は利用料の安さやインターネットとのセット利用など便利さも相まって、アナログの電話回線からひかり電話へシフトする企業や人が増えているようです。
そういった意味で、ひかり電話がこれまで電話加入権の持っていた財産価値を無きものになりそうなのは間違いありませんよね。ただ、逆を返せばひかり電話によって固定電話の需要が増しているとも言えます。実際、今まで固定電話を持っておらず、携帯電話だけで済ましてきた人の中にも、新規でひかり電話を設置するケースが増えているようです。ひかり電話によって固定電話がますます見直されていくのでしょう。
その結果、アナログの固定電話を必要とする人が増えるにつれ、電話加入権の財産価値が増していったように、今度はひかり電話を設置するために電話加入権が生まれ、財産価値が発生するという可能性があるのです。
要するに、ひかり電話の増加でアナログ回線の電話加入権が再び財産価値をアップするわけではなく、光ファイバー回線のインフラ整備が必要となり、そのための電話加入権(施設設備負担金)が生まれるだろうということです。
ひかり電話の導入も視野にいれる
光ファイバー回線の敷設には、現在では10万円ほどの施設設置負担金が必要とされているという計算もあります。これを利用者に負担させるために、ひかり電話の電話加入権を導入するとなれば10万円ほどの価値になるとなります。現在のところ、従来の電話加入権のように売買や質権および抵当権が設定できるような電話加入権が、ひかり電話に対して設けられることは予定されていません。
しかし、NTT東日本/西日本、ひいては国策としては、いつそういった制度を導入するか分かりません。そう考えると、今のうちに、ひかり電話を導入しておくのも賢い選択かもしれません。