2023.03.27

IP電話がオススメできない理由

セキュリティやソフト

目次

IP電話をオススメできない!?

IP電話はインターネット回線を利用した便利な電話回線として、近年人気となっています。でも、本当にいいことづくめなのでしょうか。デメリットについても、きちんと知っておいたほうが良いかもしれません。

セキュリティーの甘さはアナログ回線の比ではない

ちょっと驚きの報道があったことを覚えていますか。某メーカーが販売したIP電話の電話交換機に不正アクセスが発生したことが公表され、海外へ不正な通話が行なわれ、ユーザーに対し高額な通信料が請求されたという事件です。

そのメーカーがすべてのユーザーに調査を実施したところ、なんと被害件数は70件を超え、被害額は5000万円規模に上ったそうです。原因は特定そのメーカーのIP-PBXの初期パスワードがネット上で公開されていて、被害に遭った企業の大半はIP電話設置後も、その初期設定のパスワードを変更せずに運用していたことらしいのです。

かなりずさんな情報管理だといえますが、これは決して対岸の火事ではないのですよ。
特にスマホは、知らず知らずにWi-Fi接続され、そのWi-Fiスポットが悪意のあるものだったりするケースも少なくありません。

最悪の場合、ハッキングされ、乗っ取られてIP電話乗っ取り事件のように気づかずに国際通話の情報提供サービスへ繋がれて高額請求されてしまうこともあり得るのです。

この手口を使われてしまうと、NGN網を使っているひかり電話もハッキングされる可能性があるという見方もあります。このように、IP電話やひかり電話は性質上、どうしてもセキュリティーに関してアナログ回線より甘くなってしまいます。ITに詳しい人なら当然わかることが、一般の人では理解するのが難しいというのも現状なのです。

うかつに電話ソフトを使ってはいけない

IP電話を固定電話で利用する場合、通常はインターネット回線サービスを提供する事業者の公式電話ソフトを使うべきですが、利便性等の理由でSkypeやLINEなどのソフトを使っている人も少なくありません。

でも、これは実はオススメできない方法なのです。まず、通信音質のクオリティが高くないことが挙げられます。具体的には、しばしば通話が途切れてしまうとか、相手の声が聞き取りづらいなどといったことです。

無料であるということを考えれば、多少は我慢できるかもしれませんが、これをビジネスの現場で使うことには抵抗がありますよね。また、公式ではないのでハッキングの被害に遭っても文句は言えないのです。