目次
電話加入権がなくて困った
5年ほど前、いち早く電話加入権を手放し、携帯電話のみに切り替えたCさん。時代の最先端をいくのが好きな性格ですが、そんな彼を襲ったのが未曾有の大災害。携帯電話回線がパンクして、実家の親族と連絡が取れなくなりました。
携帯電話や光回線は災害に極めて脆弱
新しもの好きで、特にデジタルグッズに非常に高い関心を持つCさんは、携帯電話にも当然いち早く飛びつきました。街なかでさっそうと携帯電話を駆使する自分の姿に満足していました。もともとは東北の地方都市出身のCさんですが、都会のビジネスマンとしてデキる男を意識している様子でした。
当然、携帯電話があれば自宅に固定電話など必要ないという考えに至り、「アナログの固定電話なんて、今どき古いよ」と周囲に広言して固定電話をやめてしまいました。そんな折、あの未曾有の大震災が起こったのでした。
東北の実家が気になり、安否を確認するために何度も電話をかけるCさん。しかし、皆さんご経験したことと思いますが携帯電話やスマホはほとんど繋がりませんでした。
なぜでしょうか。携帯電話の通話(音声)は、大人数が一斉に電話をかけると輻輳(一斉に一地域へ電話が集中すると交換機の処理能力を超えてしまい、つながらなくなること)を起こし、交換機がシステムダウンしてしまうことを避けるため、通話が制限されます。このことによって、大地震直後に使えなくなったのです。
電話局が生きていればアナログの固定電話はつながる
しばらく経って、自宅の家族は無事だったことが確認できたのですが、その際にCさんはご両親から「家の電話は普通に使えたのに、なんで電話して来なかったのか」と言われたそうです。アナログ固定電話は、一般に携帯電話やIP電話より遥かに災害に強いツールと言われています。
これは、固定電話が電話線から電源を取っているため、地域一帯が停電になっていたとしても、電話線さえ切れていなければまったく問題なく使えるのです。
携帯電話の普及によって、街から公衆電話が大きく減少しました。そして、家庭からはアナログの固定電話が減りつつあります。これだけ通信環境が変われば、いざ災害が起こった場合、いったいどういう事態に陥るかはわかりませんよね。
もちろん、電話局が打撃を受けてダウンしてしまったらどうにもなりませんが、災害時の連絡手段として固定電話は現在のところ、もっとも強いのです。Cさんも肝に銘じたようで、携帯電話は使いつつも、電話加入権ドットコムで加入権をご購入いただき、自宅に固定電話を設置されました。