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20代以下で固定電話の購入が0%
某シンクタンクがこのほど発表したアンケートによると、初めて一人暮らしをする20代以下の若者の固定電話購入率は0%という、ショッキングな結果となりました。本当に固定電話って必要がないのでしょうか?
スマホや携帯電話があるので固定電話は不要?
2016年2月、某シンクタンクから「初一人暮らしに関する意識調査」の結果が発表されました。それによると、初めての一人暮らしの理由については、「進学・通学」がもっとも多く、次いで「就職・転職」となりました。なお、一人暮らしの経験者は全体の60%を占め、初めて一人暮らしをした年代としては男性も女性も、20代以下が45%を占めています。
気になる一人暮らしを始めるために購入したものとしては、20代以下の1位は「電子レンジ」で、次いで「炊飯器」、「テレビ」、「パソコン」と続きます。これらは生活必需品なので当然といえば当然ですが、これまで必需品とされてきた「固定電話」を買う人は0%でした。
もちろん、スマホや携帯電話など電話機自体の必要性は変化していませんが、それらの普及によって若い世代は固定電話が不要だと考えているようです。
これはショッキングな調査結果ですよね。何度もご説明してきましたが、スマホや携帯電話は市外局番がアナログの固定電話とは異なり「090」や「080」といった番号となります。
つまり、電話番号を知らせる際、相手には「携帯電話やスマホの番号しか持っていない」とすぐに分かってしまうわけです。
それの何が問題なのかという話は、以前のコラムを参照していただきたいのですが、住所を特定できないため、社会的な信頼性が低いのです。クレジットカードなどの作成について、審査を通るのが難しくなることはもちろん、就職活動などでも不利になる可能性があることも指摘している人もいます。
こういったデメリットが大きいため、実はアナログの固定電話は一人暮らしでも設置しておくべきなのです。
災害時に慌ててからでは遅い
そして、未曾有の大災害がいつ起こっても不思議ではない日本において、連絡がつく手段をスマホや携帯電話のみにしてしまうことは非常に危険だという指摘もあります。
それは、先の大震災でも実際に起ったことではありますが、携帯電話への発信が集中し、回線がパンクしてつながらないという事態が発生したのです。
もちろん、アナログの固定電話回線も、NTT東日本/西日本の基地局が大きなダメージを受けてダウンしてしまえば通話できなくなってしまいます。
しかし、そういった事態も想定して対策を取られています。そして、停電時でもアナログの固定電話回線は通話できるといったメリットがあります。こうした災害時に慌てないためにも、固定電話を設置するのは一人暮らしの生活でも必要なことであると言わざるを得ませんね。