2015.06.10

今だからこそ考えたい加入電話(2)

貸金業法では固定電話番号の登録が義務

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今だからこそ考えたい加入電話(2)

加入電話を設置するメリットは少なくありません。今、あえて加入電話を契約するのは、長年使われてきた信頼感があるからです。アナログ回線やISDN方式のデジタル回線は、IP電話とは違って音声信号が非圧縮で送受信されます。ということは、つまりどういうことなのでしょうか。

メタル線利用の加入電話は音質がいい

メタル線を利用した加入電話の回線はデータ通信量を削減するため、人の声で使われる周波数帯を多く残してあり、他の帯域の信号を切り捨てるようにして不可逆圧縮を行なう携帯電話や多くのIP電話などと比較すると、当然ながらに音がそれらよりも良く、相手の声が聞き取りやすくなるのです。

近年、携帯電話を利用した振り込め詐欺などが横行していますが、携帯電話ではこの音声信号の圧縮によって、それぞれ人の声の特徴となる要素が欠落してしまうので、誰でも似たような声に聞こえてしまいます。

このことが、被害を拡大させる要素となっていることもあるようです。これに対し、多くのアナログを利用した固定の加入電話端末は、高圧縮率のIP電話アダプターなどを接続しない限り、携帯電話と比較して誰の声を聞いても同じに聞こえるという現象が、原理的に起こりにくいわけです。

携帯電話は社会的な信用度がまだまだ低い

また携帯電話の番号しか持っていない人は、社会的信用度が低いというデメリットがあります。クレジットカードを作ったり、カードローンを申し込む場合、一般には携帯電話の番号では契約が拒否され、固定の加入電話番号の提示が求められます。

なぜなら、携帯電話の市外局番部分(090とか080といった番号です)では、その携帯電話の契約者の居住地域が特定できないため、実際にその住所に契約者が住んでいるかどうかの確認に使えないためです。ちなみに金融業者は貸金業登録簿に掲載される情報のひとつとして、固定の加入電話番号の登録が貸金業法によって義務付けられています。

さらに、携帯電話はテレビなどでも報じられているように、犯罪に使われることが少なからずあるので、十分な社会的信用を得るには至っていません。このため、いまだに固定の加入電話回線を持っているかどうかが、社会的な信頼性の評価基準のひとつとなっているというわけなのです。