2023.03.27

デジタル化で再脚光を浴びる加入電話

NTT以外はIP電話のサービス以外は選択肢がなくなる

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デジタル化で再脚光を浴びる加入電話

電話加入権が必要となる固定電話の回線は、IP電話の普及に伴い、再び脚光を浴びていることを知っていますか? ここでは、サービスの面から固定の加入電話が脚光を浴びている状況をご説明していきましょう。

オフィスのIP電話化は急速に進んでいる

固定の加入電話のサービスをオフィスに導入する際、おおまかに3つの方法があります。無圧縮アナログ音声信号を送受信するアナログ回線、無圧縮デジタル音声信号を送受信するISDN回線、圧縮デジタル音声信号を送受信するIP電話です。厳密には、IP電話ではデータの通信手段をどうするかで、さらに細分化できるのですが、だいたい3種類だと考えて問題ありません。

ただ、日本国内の通信事業社はNTTがアナログ回線をほぼ独占してきた歴史があります。そして、固定の加入電話はアナログ回線を残す必要があるNTT以外は、将来的にIP電話のサービス以外は選択肢がなくなる予定ということを覚えておきましょう。

NTTは電話加入の選択肢が多い

現状、固定の加入電話サービスを選ぶ場合、もっとも立場が強くて選択肢も多いのがNTTになります。これは、NTTが電電公社時代から国策としての通信インフラ整備を担ってきた歴史的な経緯によるものです。各地にある電話局から各オフィスまでのアナログやISDN方式の電話回線敷設を独占してきたのがNTTだったからです。

NTTの場合、固定電話はアナログ回線の加入電話と、「INSネット64」というISDN回線、IP電話の「ひかり電話」という3方式になっています。
ただし、加入電話とINSネット64は電話単体での契約が基本で、インターネットの接続サービスがそれらに付加される形で提供されています。これに対し、ひかり電話は光回線によるインターネット接続サービス(フレッツ光)の契約を前提とするサービスであり、ひかり電話単独では提供されていません。

そのため、ひかり電話はフレッツ光を契約することを前提とした料金体系なのです。つまり、加入電話とINSネット64は電話単独での利用が可能ですが、ひかり電話はIP電話を単独で契約することができません。だから、ひかり電話そのものの月額基本料(基本プランで500円)や音声通話料(携帯電話や国際通話以外は全国一律8円/3分)は安いのですが、フレッツ光の月額利用料が加算され、さらに工事費も高額なので、他の2方式よりも高くつく場合も少なくないのです。