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電話加入権は廃止
電話加入権(施設設置負担金制度)が廃止されるという噂は何度となく出ています。でも、実際に廃止されるかどうかはじつははなはだ疑問なのです。
ほとんどの企業は電話加入権が必要という認識
そもそも電話加入権は、施設設置負担金を支払うことで得られる「電話回線を引くことができる権利」という制度です。ですが現在、その施設設置負担金制度について、電話回線のインフラ整備が完了しているのに取り続けるのはいかがなものか、いっそのこと廃止してはどうかという議論が持ち上がっています。
こういった情勢を鑑みて、電話加入権は将来的には廃止されてしまうのではないかという声が大きくなっているのです。
実際、施設設置負担金を支払って電話加入権を取得するより、施設設置負担金を必要としないでアナログの固定電話が使える「加入電話・ライトプラン」を利用するユーザーが増えているのが現実ですし、NTT東日本/西日本へ素直に施設設置負担金を支払って電話加入権を入手するより、インターネット上に数多ある電話加入権取扱業者から中古の電話加入権を購入する人が増え続けているようですね。
このような社会情勢を受けて、今後は施設設置負担金制度とともに電話加入権そのものが廃止されてしまう可能性もゼロではありません、という議論はさんざん行なわれてきたにも関わらず、電話加入権を廃止しようという動きは10年以上も滞っており、今後も残り続けていくような流れなのです。
どうしてでしょうか。それ、電話加入権が必要だと考えている企業が少なくないということが理由となっています。現在、電話加入権が不要で通話料が安いひかり電話に切り替える企業も増加していますが、その一方でひかり電話とは別にアナログの電話回線を残している企業が増えているのも事実です。
すでに電話加入権を多数所有している企業にとって、電話加入権というのは会社の資産です。そのため、電話加入権が廃止されてしまったら、そのぶん資産も減少してしまいます。こういう事情もあって、企業からみれば電話加入権が存続されるのは望ましいことなのです。
アナログ回線は必要不可欠
また、スマホや携帯電話の普及で、衰退していってしまうのではないかと思われていたアナログ電話回線ですが、2011年に発生した東日本大震災で改めて見直されることになりました。
アナログ電話回線は携帯電話やIP電話よりもつながりやすかったので、もしものためにアナログ電話回線があったほうが、重要なライフラインとして使用できると考える企業が増えているのです。