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電話加入権が解約できないトラブルがある!
電話加入権は財産として扱われていた時代もあり、加入権を抵当に借金をするといったことも行われていました。いわゆる「電話担保金融」と呼ばれる業者ですが、今の時代になって、この融資によって電話加入権が解約できないトラブルが相次いでいるのです。
加入権を抵当にしたのは誰なのか
NTT東日本/西日本のアナログ固定電話が自宅に設置されていれば、融資を受けることが可能な時代がありました。もちろん、その電話機を担保にするわけではありません。電話加入権を担保にして、融資を受けることができたのです。
こうした融資を行う業者を当時は「電話担保融資」業者と呼んでいて、全国に数多くの業者がありました。すでに現在では、こうした業者はほぼいなくなったと言われていますが、その当時電話加入権を抵当にしたことが原因で、アナログの固定電話を解約できないといったトラブルが相次いで起こっているのです。
例えば、アナログの固定電話からIP電話へ乗り替えようと考えて契約解除しようとしたら、10万円近い手数料を請求されたとか、訴訟へ発展してしまうケースも見られます。現在でも、こうした抵当として設定された電話加入権は全国でたくさんあって、このようなトラブルが後を断たないと言われています。
特に法人の電話加入権が抵当として設定されているケースが多く、こうした電話加入権を売却したり、契約を解除するためには債権者の同意が必要となります。電話加入権の内容を確認する方(法人でも)は多くないので、誰がどういった経緯で電話加入権を担保に融資を受けたのか、今となっては調べようがないものがほとんどだそうです。
どのような対処が必要なのか
こうした電話加入権のトラブルに関して、NTT東日本/西日本では抵当として設定された電話加入権の実数を把握していないどころか、関知する必要がないとしています。しかも、法的な理由で「債権者以外の解約申し込みなどは受け付けない」としているのです。
ですので、もし所有されている電話加入権を解約したり、名義変更をしようとして、こうした話が出てきた場合は、すぐに返事はせずに、まずは国民生活センターに相談してみるとよいでしょう。
身に覚えのない債権を請求されるほど理不尽なことはありません。また、今後もし電話加入権が必要となって取扱業者から購入する際は、こうした債権の有無をきちんと確認するようにしましょう。