2023.03.27

加入権の休止には期限がある?(1)

休止期間と更新

目次

加入権休止の期限

現状、電話加入権を必要としない場合、「休止」扱いにするのがベターだという説明をしてきましたが、この休止には実は期限があったのです。

電話加入権の休止期間は最大10年

事務所等が移転する際、固定電話の契約は必須でしょう。

最近では、NTT東日本/西日本のアナログ固定電話だけでなく、他社の光ファイバー回線を利用したひかり電話に切り替えるオフィスも増えてきました。その場合に気になるのが電話加入権ですね。

財産として扱われ、担保に使うこともできる電話加入権ですが、もともとはNTT東日本/西日本が電電公社の時代に、アナログの電話回線を全国各地に敷設していくための資金として加入者から投資を受ける「施設設備負担金」でした。その対価として、電話回線を引くことができる権利を付与されたため、電話加入権として現在でも残っているのです。

しかし、インターネットの普及により、電話加入権がなくても固定電話が使えるようになりました。たとえばインターネット通信事業者がIP電話事業に参入してきたために、現在では電話加入権を持っていなくても固定電話を利用することができるようになっています。

現在、NTT東日本/西日本のアナログ電話回線を利用していて、移転先ではひかり電話へと切り替えたいという場合、電話加入権をどうするかという問題が出てきます。

前回、これは「休止」扱いにするのがオススメという説明をしました。そして、この休止期間は最大10年間になっています。そして、5年ごとに更新が必要となります。

更新手続きをしないと権利が失効する

休止期間が過ぎると、電話加入権は失効します。資産計上できる権利がなくなり、無価値になるというわけです。5年の更新年に手続きを行なわなければ、やはり電話加入権は失効してしまいますので、この手続きは絶対に忘れないようにしてください。

この延長手続きは、通知が届いたら、その案内に書かれている連絡先へ連絡するだけで完了しますので、簡単です。休止時の住所、電話番号、延長手続き完了の通知を受け取るための現在の住所を確認されるので、それに回答すればいいだけです。

ただし、この更新手続きの通知は郵便で届くため、つい忘れてしまいがちです。現在、電話加入権の価値はそこまで高くはありませんが、それでも資産として計上できる財産なので、うっかりで失効してしまってはもったいないですよね。大事に保管するように心がけるようにしましょう。