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減っていた公衆電話がまた見直されている件
スマホなど、携帯電話はひとり1台という時代になってきていますね。そんな状況で、公衆電話が次々と撤去され、最近は探すのが難しいほどです。
しかし、昨年あたりから公衆電話を設置してほしいという声が増え、見直されていることをご存知ですか?
都内のセブンイレブン全店舗に公衆電話を設置
携帯電話やスマートフォン(スマホ)が広く普及して、一般家庭におけるアナログの固定電話設置が減っていて、今や70%の家庭にアナログの固定電話が設置されていないという調査もあるほどです。
これはやや極端な調査ではあると思うのですが、それでも都市部ではアナログの固定電話が減っているのは間違いありません。考えてみれば、これだけの構造的な不況状態が続いていて、通信費に家計を圧迫されるというのが困難な状況では、設置しているだけでも基本料などが発生するアナログの固定電話は解約する、というのが自然の流れなのかもしれません。
そして、個人個人が電話を持ち歩くため、公衆電話の使用率も低くなり、当然これも撤去されるという流れが数年来続いているわけです。
街を歩いていて、公衆電話を見かけることが少なくなったと思いませんか?そうです。上記のような事情でNTT東日本/西日本では公衆電話の撤去を進めているのです。ところが、これが実は最近、逆の動きが起こってきていることをご存知でしょうか。
先の大震災以降、公衆電話の少なさを指摘する声が寄せられるようになったのです。これを受け、NTT東日本では東京23区内のすべてのセブンイレブン店舗に、同社の非常用電話機(いわゆる特設公衆電話)設置を進めています。
万が一、震災などが発生した際は最寄りのセブンイレブン店舗で、市民が無料で安否確認等の緊急連絡を利用できるというわけです。その数、ざっと約1,200店舗だそうです。
災害時につながりやすいアナログ公衆電話
これはどういうことかというと、アナログの固定電話が災害時に強いというメリットが見直されているということなのです。
古くからあるアナログ固定電話は、一般にIP電話より遥かに災害に強いツールで、電話線から電源を取っているために停電になっていたとしても、電話線さえ切れていなければまったく問題なく使えるのです。
しかも、公衆電話に至っては通話制限を受けない優先電話となっていて、緑やグレーの公衆電話(ピンク電話は除く)は、電話線が全部のルートで切断されたり、通信機器や回線が被災していなければ、一般の方にとって身近な電話として災害時にもっとも有効な連絡手段になるのです。だからこそ、公衆電話を設置してほしいという声が増えてきたというわけなのです。