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電話加入権の名義変更
電話加入権は使っていないと、その存在自体を忘れがちになりますが、今だに資産として扱われている以上はさまざまなタイミングで「名義変更」が必要となります。しかし名義変更は必要なのでしょうか。
電話加入権を名義変更する意味
固定電話をお使いの方は、昔からずっと変わらず使っている場合は電話加入権が付いている固定電話回線を引いているのが普通です。
これは、NTT東日本/西日本の前身である電電公社時代に、アナログの電話回線を全国に広く敷設するためのインフラ整備費用として、電話を引きたい人から施設設置負担金を供出させていました。これがいわゆる「電話加入権」なのです。この施設設置負担金は近年まで72,000円もしたので、電話加入権は「資産」として扱われてきたのです。
その後、電話加入権は36,000円と半額になりましたが、それでも資産計上しなければならない財産という位置付けは今も変わっていません。
そして時代は流れ、携帯電話やスマホの登場や、ひかり電話などIP電話などの普及により、電話加入権を必要とするアナログの固定電話が必要とされなくなってきました。
そして、NTT東日本/西日本でも電話加入権を必要としないアナログの固定電話回線「加入電話・ライトプラン」といったサービスを始め、よりいっそう電話加入権の存在意義が疑問視されつつあります。
そんな状況でも、電話加入権自体は「他人に売ったり譲ったりすると、電話が使えなくなるのでは」という認識から、後生大事に持ち続けていることが多いのです。しかも、個人だけでなく法人ですらそういうことがあります。その結果、長期に渡り電話加入権は資産計上され、無形固定資産として課税対象になり続けているのです。それだけでなく、電話加入権を保持し続けるということは、回線の基本使用料を毎月NTT東日本/西日本から請求され続けているということになります。
こうした無駄なコストを削除するのが、企業の急務となっているので、電話加入権をなんとかしたいという財務ご担当者様からご相談を受けます。そうするためには、電話加入権の名義を変更しなければならないということになります。
名義変更をするのはどんなタイミング?
それでは、電話加入権の名義変更をするのは、どんなタイミングがいいのでしょうか。一般には、事務所などの移転(個人の場合は引越し)で新たな場所に移った際、固定電話をIP電話に移行するといったケースが考えられます。この場合、電話加入権を売却(あるいは譲渡)するために、相手先の名義に変更する必要が生じます。
また、これは個人の場合ですが、親御さんが亡くなり、持っていた電話加入権を相続する場合などに名義変更の必要が生じます。このほか、結婚などで名前が変わった場合や、法人で企業名が変わった場合にも名義変更の手続が必要となります。
これらの名義変更について、また別の機会にそれぞれの手続きなどについてご説明します。