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企業内で電話加入権を管理する部門
電話加入権は企業にとって不思議な存在です。と言うのも、電話加入権は未だに「財産」として扱われるからです。それでは、どこの部門が管理するべきなのでしょう。
そんなに重要なことなのかと思う人もいるかもしれませんが、実際に会社のどの部門が電話加入権を管理するのか明確に決まっていない結果、電話加入権を財産として管理する責任者が不明確になって、会社ですら自社が所有している電話加入権の実態が把握できなくなってしまったケースもあります。
会社からすれば、非常に困った問題ですよね。
情報端末である以上、情報システム部門が管理
電話加入権が資産であるという側面を考えれば、電話加入権は管財部門が管理する固定資産ということになります。実際、以前は管財部門に電話加入権を管理させている企業が多かったようです。
しかし、近年では電話加入権に資産としての価値がほとんどなくなってしまったことに加えて、電話回線が通話するための電話線から、インターネットなど情報通信のための電話線へと用途が広がったことで、情報システム部門が実質的な管理をする企業も増えてきました。
つまり、電話加入権は情報システム部門が管理することになるのでしょうか。そんな簡単な話ではありません。
情報システム部門は、あくまで情報ツールとして電話加入権を管理しているだけで、財産的な管理をするわけではありません。そして、電話加入権の管理者があやふやなまま時間が経過して、結局は自社の所有する電話加入権の実態を、誰も把握できなくなってしまうということが起こってしまうのです。
財産なので管財部門が管理すべき
電話加入権の管理問題については、企業によって組織事情や部署の実態が異なるため、何が正解かは分かりません。ただ、基本的に電話加入権は帳簿に記載されている資産としての扱いがあるので、実際に資産的価値があるかどうかはさておき、従来通り管財部門が電話加入権を管理するのが無難でしょう。
特に、施設設置負担金が引き下げられた際、損失を無税償却できるよう税法上の措置が盛り込まれたこともあり、時価計上しようとするなら電話加入権の帳簿上の価値を正確と把握することが不可欠になります。電話加入権の時価計上は、手間がかかる割にさほど節税にならないとも言われています。
しかし、あえてやらないという判断と、やりたくてもできないのでは、時価計上が行なわれていないという同じ結果でも、意味合いがまったく異なります。選択肢を増やす意味で、電話加入権の管理は非常に重要なのです。