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2025年の固定電話
NTTは新しい交換機の製造をすでに終了しているようです。そして、現在の交換機は2025年には限界を迎えるとのことで、そのころにはアナログの固定電話サービスは終了していることが予想されます。
電話網がIPプロコトルへと移行
1890年に電話が開通して以来、1世紀以上も国民の生活を支えてきたのがアナログの固定電話です。しかし、ついにその長い歴史に幕を閉じることが現実のものとなりつつあります。
日本国内におけるアナログ電話網(PSTN)には、交換機と呼ばれる各地域にある基地局に設置されている機器が必要不可欠です。
しかし、この交換機はすでに製造停止となっていて、現在、各地で使われている交換機の寿命は長くてもあと10年と言われています。これが、電話・通信業界を騒がせている「2025年問題」です。
ある日突然、固定電話が使えなくなって大混乱になることを避けるため、NTT東日本/西日本ではPSTNをIP(インターネットプロトコル)網へと移行する方針を明らかにしました。このことは、以前このコラムでもご説明しました。
この計画について、NTT東日本/西日本では携帯電話やスマホなど、他の通信手段の普及が広がっており、アナログの固定電話を存続させることに対してのこだわりは、すでに持っていないという見方が多いようです。
問題はユニバーサルサービス
若年層を中心として、固定電話から携帯電話へと移行されている現在、そのすべてを移行させるための問題が、以前もご説明したユニバーサルサービス制度についての問題です。
NTT東日本/西日本のアナログ固定電話は、郵便事業などとともに全国一律のサービス提供が総務省から義務づけられています。これがユニバーサルサービス制度なわけですが、企業の方針という理由では勝手にサービス停止することができないのです。
このユニバーサルサービス制度が見直されない限り、PSTNからIP網への移行時に残っているアナログの固定電話は、原則としてそのまま引き継がなければなりません。
そして、アナログの固定電話は、毎年1,000億円程度の赤字を計上しているため、NTT東日本/西日本では可能であればサービスを止めたいという本音があるのです。
これに関しては、総務省でも見直しが検討されており、実現すれば固定電話のIP網への移行は加速することが予想されます。ただ、そのための国民への負担を懸念する声もあるため、しばらくは議論が続くことは間違いありません。
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