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固定電話が必要か不要かを考える
実際のところ固定電話が必要か不要かというのは、それぞれ個人の事情によって変わってくるものです。それでも、「こういう人には必要」「この人には不要」というおよその分類は可能です。わかりやすい例をご紹介しましょう。
一人暮らしで家にいる時間が短い人は不要
現代の若い人たちの生活の中には様々なモノや情報が溢れていて、便利な生活が当たり前のようになっています。通信手段も、現在はスマートフォンなどモバイルが主流です。
大昔は、情報の伝達のために火を炊いた煙を用いていました。これを「狼煙(のろし)」と呼びます。さすがにこの狼煙は古すぎますが、時代は進んで、ハトの帰巣本能を利用した情報伝達手段もありました。
これは「伝書鳩」といい、ハトの足に手紙をくくり付け、遠方の人へ情報を伝えたという時代があったのです。ちなみに、今でもこの伝書鳩の伝統は細々と生きていますが、あくまでも伝統芸能の域を出なくなっています。
このほか、糸電話(これはアナログの電話回線と原理は一緒です)や文矢など、人間は遠くの人とコミュニケーションを取ることを渇望してきました。そんな中、現れたのが電話というシステムです。
銅製のアナログ回線を用いた電話回線は、瞬く間に広がりました。その回線を引くために電話加入権というシステムも生まれました。しかし、今や電話加入権が必要なアナログ電話は過去の遺産という扱いとなりつつあります。確かに一人暮らしの若者なら、モバイル端末だけあれば生活は可能です。
自宅にいる時間が短いので、自宅に固定電話を設置してもそれを取る時間も短いのですから、これは致し方ないといえるでしょう。
家庭を持ち、子供ができたなどの世帯には必要
しかし、結婚して子どもが生まれる、つまり家庭を持つようになると、なかなかそうはいかなくなります。固定電話がなくて困ったというシーンが増えてくるでしょう。たとえば、ローンを組まざるをえないときなどは、身元を証明するために固定電話の番号が必要なことが多いですし、在宅確認の電話がかかってくることもありますので、やはり固定電話は必要と言わざるを得ません。モバイル端末では、いつでも電話に出られるので、在宅確認にならないからです。
また、学校に上がった子どもの先生から連絡が来たりする場合でも、これはモバイル端末にかけることはめったにありません。もちろん、モバイルに無遠慮に電話するというのが失礼に当たることもありますが、それ以上に「固定電話すら引いていない家庭ではないか?」という確認の意味合いもあるそうです。今どきの確認方法ともいえるものですが、そういうことがあるとなると、やはり固定電話は必要だと言わざるを得ないかもしれませんね。