目次
固定電話は全てインターネット回線に移行
固定電話は、かつてはアナログの回線によって結ばれていました。現在も電話回線のかなりのウエイトを、アナログ回線が占めています。しかし政府は近い将来、電話回線は全てインターネット回線にすべしという方針を打ち出しました。いったい、これはどういうことなのでしょうか。
2025年をめどにインターネット回線へ移行
政府の有識者による会議が行なわれ、アナログの固定電話による通信網(いわゆる電話回線のことです)を、2025年ごろをめどに、インターネット技術を使った回線へと置き換えるという方針を決めました。なぜこういうことになったのでしょうか。その最大の要因と見られているのが、携帯電話の普及です。
携帯電話が普及してから、固定電話の利用者が徐々に減ってきました。そしてアナログの電話回線に関して言えば、NTT東日本/西日本の電話基地局にある交換機が老朽化しており、その維持が難しくなっているそうなのです。実際のところ電話基地局にある交換機は1980年代に導入されたものが多く、すでに40年近くが経過しているわけで、老化するのも当然だといえるでしょう。
そこで上記のような有識者たちは、アナログ専用の交換機を使った電話網から、現在一般的になっているインターネット向けの機器を使った回線へと切り替えるべきという結論を出したわけです。交換機が老朽化したから回線を移行しようというのは、一般の方が引越しのタイミングでアナログ回線から光インターネット回線へと乗り替えるのに似ていますよね。
これまでの電話機などはそのまま使える見通し
この移行で懸念されていることは、従来使っていた電話番号が、回線の移行によって変わってしまうのではないかということです。このタイミングで電話会社も乗り替えたいという方もいると思いますが、安心してください。固定電話の事業者同士の競争を促すことを目的に、携帯電話と同じく、他の事業者に乗り替えても電話番号を変えなくてもすむ番号ポータビリティー(NMP)も導入されるそうです。
また、インターネット回線へと移行された後の固定電話料金については、これはNTT東日本/西日本が距離別の考え方をなくしていく方向で検討しているそうです。
簡単に言えば、長距離通話も現在の市内通話料金より安くするといった料金体系にしていくそうなのです。これが本当だとすれば、ユーザーにとっては喜ばしいことです。ちなみに、一般家庭と電話基地局の交換機までは従来の回線を使うことができるので、今使っている電話機はそのまま使えるということになります。