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ADSL回線の今後
今後、インターネット回線は光インターネット回線が主流になります。これによって2023年にサービスが終了する、アナログ回線を利用したADSL回線は、今後いったいどうなるのでしょうか。現在ADSL回線を利用している人は、すぐにでも光インターネット回線に乗り替えなければならないのでしょうか?
NTTはすでに新規申し込みを終了している
登場したときはブロードバンド回線の革命とまで言われ、高速インターネット回線として大きな脚光を浴びたADSL回線ですが、それからすでに18年ほどが経過して静かにその役割を終えようとしています。
2017年11月には、ついにNTT東日本/西日本がADSL回線サービスを2023年1月に終了することを発表しました。
すでに新規の契約受付は2016年に終了していたため、利用者数は年々減少していましたが、いよいよ終わりが見えたことで、乗り換えの需要が高まるのではないかという予測が立てられていますね。
なぜNTTはADSL回線のサービスを終了するのでしょうか。これにはさまざまな憶測が飛び交っていますが、アナログ回線(PSTN)が2025年に廃止されるため、これに先立ってADSL回線のサービスを終了するというのが一般的な見方です。
また新規契約の受付を終了している以上、利用者数は減少する一方なのは明確で、すでに利用者数は全盛期の1/10程度にまで落ち込んでいるということも終了理由のひとつでしょう。
それでは、もうADSL回線は終わってしまったインターネット回線なのでしょうか?
各種プロバイダーはADSL回線サービスの提供を持続
NTTがADSL回線サービスを終了する2023年1月になっても、フレッツ光のインターネット回線が提供されていないエリアに関してはサービスを継続していくとの方針があります。
つまりサービスを終了するとはいっても、光インターネット回線がない地域ではADSL回線を継続していくしかないわけです。
また、NTT以外の事業者がADSL回線サービスを続けていく状況もあります。ソフトバンク系のYahoo!BBは、いまだに新規契約受付を行っています。しかも月額利用料が1,800円ほどと低価格で、とにかく安くインターネット通信をしたいという人には、根強い人気があります。
インターネットサービスプロバイダー(ISP)もADSL回線のサービス提供を維持してきましたが、時代の流れのためか代表的なISPであるSo-netは2018年4月に、Niftyは2018年3月に新規申し込みを終了しています。これを考えると、Yahoo!BBもいつ新規契約受付を終了するかわかりません。
このようにインターネット回線は、かなりの人が光インターネットへと移行している状況で、実はADSL回線がお得になっているという話もあります。
それは、ADSL回線の混雑率が大きく下がっているため、一部ユーザーにとっては通信品質が安定して使いやすくなったと評判になっているとのことなのです。
こういった状況を考えると、実は今ADSL回線の新規契約をするのが賢い選択という考え方もあります。
もちろん、たとえばVOD(ビデオ・オン・デマンド)をインターネット回線で利用するといった動画や音楽などを視聴する人にはおすすめできません。
しかし、高齢者家庭でインターネットはメールとサイトの閲覧程度といった場合には、ADSL回線でも十分利用できますので、月額利用料を考えればお得になるといったケースもあるのです。
今後、インターネット回線は光インターネットになっていくのは間違いありません。ただ、Yahoo!BBなど一部の事業者はADSL回線サービスの新規契約受付を継続しています。自分のインターネット利用状況と月額のコストなどを考え、賢くADSL回線を利用するというのもありなのではないでしょうか。