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固定電話の歴史
携帯電話やスマホの普及で、アナログの固定電話へのイメージが古いものとなっているようです。しかし、よく考えてみましょう。
電話という通信手段が生まれてから、現在に至るまでアナログの固定電話は長い歴史を刻んできたのです。そんな固定電話の進化の歴史を振り返ってみます。
電話の発明と初期の普及過程
電話を発明したのはグラハム・ベルだと言われています。
しかし、現在ではベルの30年ほど前にマンゼッチという人が電話のアイデアを論文発表したのが起源という説が有力となっています。
ただ、実用の電話システムを開発したのはベルであり、その後アメリカの電話会社AT&Tの前身である「ベル電話会社」を設立するなど、彼が電話技術の発展や普及にもっとも貢献した人物であることは間違いありません。
その後、電話は急速に発展を続け、電話交換機が発明されると世界的に電話網が構築されるようになります。
また、エジソンが炭素顆粒送話機の特許を取得し、これを利用したカーボンマイクがその後の電話機の基礎となったと言われています。
日本における電話の誕生とその普及
一方、日本では1878年、初めて国産の電話機が製作されました。
このベル式電話1号機は2台のみの製作で、以降イギリスから磁石式のガワーベル電話機が輸入され、1890年に東京と横浜の間で電話サービスが開始されました。このように電話は発明後数年の間に日本でも実用化されました。
そして、1899年には国内における電話の加入者数が1万人を超えるという、驚くべき普及を見せたのです。
なお、当時電話をかけるには2つの電話機の間で通信回線がつながっている必要がありました。
電話機同士で回線を直接つなぐことはできないため、各電話機から電話局へ接続して、その電話局内で一時的に相手の回線と接続するというシステムでした。
現在では、送信側が受話器を上げて電話番号を押すだけで、自動的に相手の電話機に接続されます。こういった方式を「自動交換方式」あるいは「ダイアル式」と呼びますが、日本でこのシステムが始まったのは1926年のことになります。
このシステム以前は、電話をかける際は電話局の交換手を呼び出し、口頭で相手の電話番号を告げ、人力で接続するという方式でした。
その交換手を呼び出す方法として、前述の磁石式が採用されていたのです(ちなみに、もうひとつ共電式というものもあります)。
この磁石式は、発信する時に電話機に付いているクランクハンドルを回して電気を発生させ、それによって交換手に連絡する方式であり、1890年代はこの方式が主流でした。
なお、共電式は通話や呼び出しの電源が電話局内から送られていて、受話器を取るだけで自動的に交換機のランプが点灯し電話の交換手を呼び出すという仕組みです。これは日本では1903年に採用され、サービスが始まったと言われています。
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